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縄文顔と弥生顔の比較と時代の求める『推し』の顔

第60回顔学オンラインサロン

2024年8月6日(火)

話題提供:美人画研究会の松永伸子さんほか


2024年8月の顔学オンラインサロン(8月6日)は、日本顔学会公認サークル「美人画研究会」代表の松永伸子さんを中心としたメンバーの方々に話題提供をしていただきました。テーマは「縄文顔と弥生顔の比較と時代の求める『推し』の顔」それぞれ2024年3月と2024年7月に開催された美人画研究会での以下内容を抜粋してまとめたものでした。


①能面師の麻生りり子さんによる「能面は意外と縄文顔ーその理由に迫るー」 

②松永伸子さんによる「姉妹は妹の顔の縄文度が高い?」

③浮世絵研究者の畑江麻里さんによる「江戸初期から明治大正までの推しの顔―浮世絵美人を中心に―」(松永伸子さん代行で説明)

④松永伸子さんによる「昭和―それは縄文顔と弥生顔のせめぎあい」

⑤城戸崎雅崇さんによる「美人の変遷ー形とイメージ」

⑥クリエイティブメンバーによる「時代が求める『推し』の顔を美人画に描く」

(作品制作(敬称略):河合直樹、東観崎繚、斎藤忍、城戸崎雅崇、井手晴海、宇田川のり子、吉村眞由美、松永伸子)


 

①女面の基本形である小面の場合でも、男性の役者がつけて舞うために、男性の鼻が入る大きさになってしまうとのこと。能面師ならではの視点によって、能面は縄文顔になってしまう理由を、3つの仮説によって解説するというユニークなものでした。

②縄文顔か弥生顔かを判定する「AI 診断」を使用して、縄文顔のパーセンテージ、弥生顔のパーセンテージが表示されるというもの。松永さんの姉妹の顔を比較したり、芸能人の姉妹。兄弟などを参照しながらの興味深い内容の発表でした。

③浮世絵から考察する、江戸時代の美人の条件や、江戸から大正にかけての時代による描き方の変遷や、作家による表現の違い等についての発表でした。近代に近づくに従い、目と手が大きく描かれてるようになってくるという、作品の流行が時系列で分かりやすくまとめられていました。


④昭和の時代は、縄文顔と弥生顔が交互に流行るという現象を、ファッションや映画、芸能界やヘアスタイルなどの事例に沿って、具体的に説明されていました。色々と懐かしい写真やポスターを見ることができました。

⑤平安美人や江戸美人、昭和の美人に至るまでの特徴や傾向を事例を交えての紹介でした。また、縄文と弥生は形態的な分類であり、イメージ的(印象)には、「高貴・気品〜庶民的・素朴」「妖艶・華麗〜少女らしさ・無垢」「いき・神秘〜親近感・柔和」という、独自の分析も、事例を交えて紹介していただきました。


⑥時代別、作者別に作品を紹介。作者ごとにその制作にあったての趣旨や狙いを説明しました(以下は作者ごとの分類)。

色々な視点からの、多岐に渡るアプローチによる、様々な研究や分析の発表だったかと思います。


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次回2024年9月の顔学オンラインサロン(9月17日)は、甲南女子大学文学部の馬場伸彦先生(メディア文化論)に話題提供いただきます。今回は、「写真の『顔』は誰の『顔』なのか」と題し、肖像写真におけるアイデンティティの問題から生成AIによって造形される顔まで、写真論?メディア論的見地からお話いただく予定です。


顔学オンラインサロンは夕食後に気軽に、顔そして顔学について語り合う場にしたいと思っております。非会員の方の参加も歓迎します。是非、ご参集ください。


記:斎藤忍

 

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武庫川女子大学薬学部

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